2011/06/03 Categories: 日記

イタリアの代替医療イベントが始まる前のミーティングで僕は提案した。

「施術を受けに来た全員に、症状が取れた状態で帰ってもらうことにしましょう。そしてタオ指圧が、どんなに他の療法とは異なり、治療効果のあるものであるかを、はっきりと体験してもらいましょう。」

このため、全体の施術の時間は45分。前半と後半を二人で行う。すなわち、基本手技スタッフは20分で終え、その後は、症状を取る治療専門スタッフに任せる、という体制にしたのである。

治療専門スタッフは、ロリダナ、アルフレッド、オリバーといった面々。いずれもタオ療法の治療者である。また彼らは、プライベートな生活よりも、仏道の弘通を人生の根本目的として置いている。

実はタオ療法の劇的な治療効果は、そんな生き方から生まれるのだ。もっとも、こればかりは、実際にその心境になってみないとピンと来ないことなので、説明の仕様がないのだけれど。



受付や来訪者への説明は、アントニオ、アンドレア、アレキサンドラ、ダビテなどが行う。

僕が彼らに、「この部屋に来た人は、どんな人でも温かく迎えられるようにして下さい。その人が施術を受ける受けないに関わらず、“タオサンガの部屋で、自分は大切な存在として扱ってもらった”という気持だけは、必ず持って帰ってもらうように」と、必死で強く訴えた。

これは、僕はどこのセンターでも、いつも気にしていることだ。人が集まると、仲間内だけで話してしまうことがある。あるいは、自分が話している相手だけにしか、気を向けなかったりしがちだ。

僕は、センターに初めて来た人が、少しでも気遣われなかったり、また、大切に扱われなかったりするのを見たりしたら、本当につらく悲しい気持になるのだ。

さて、まゆさんには、治療専門スタッフだけでなく、部屋全体の采配を頼んだ。僕は僕で、治療デモンストレーションの一回一回をこなしていかなくてはならない。

三日目は、何と、ワークショップと治療デモンストレーションの時間が30分重なっている、、、。どうしよう? 僕は、11時40分から2時までワークショップをやっている。しかし治療デモンストレーションは、1時半から始まるのだ。

そこで、一計を案じた。まず、何人かのイタリア人スタッフで、1時半からの治療デモンストレーション見学者たちを相手に、気のテストなどをやっていてもらう。

2時にワークショップを終えた僕は、すぐに中庭にかけつけ、2時半まで30分の治療デモンストレーションを行う、という段取りである。休めんな〜、などとは言っていられない。

イベントは、金曜日こそ2時から始まるというものの、土日は10時から始まり、終わるのは何と夜の9時だ。ヨーロッパの夏は、8時でもまだ明るい。だから、まあこんなものか。夏のヨーロッパは、1日が長い。